松永文庫㊙資料

いやぁ、やっぱり松永室長すごいや……という話。

昨年来、文庫に通って未読の映画関係の資料を片っ端から読み倒しています。

人並み以上の懐具合とは到底云えないこの身でも、約40年間の立読み&図書館頼り生活で、国内でいわゆる出版者から発行されている映画関連書籍の類なら、まぁ未読ではあっても書名くらいは大抵目にした事はあると思うし、まったく未知の書物でもタイトルと著者名で、大方の内容も予想はつくものだとも思っていますが、それでもまだまだ松永文庫の蔵書には毎回新たな驚きと発見があります。

…で、本題なんだけど(笑)松永文庫での資料あさりの醍醐味はここからなのだよ。

少し奥の展示スペースの片隅に、スクラップファイルがびっしり詰まった書架があります。あなたがまだこの中身を見たことがないのなら、だまされたと思ってご覧あれ。これこそ他のどこにも真似できない松永文庫の超『お宝』、室長自らの手による過去数十年分の新聞記事スクラップブック、まさに日本の映画・演劇・芸能関連記事の大全集なのだ。その数現在まとまっているだけで既に200冊以上、誰に頼まれた訳でもないのに毎日その数は増え続けているのだ。

新聞の文化欄や連載記事は、後に書籍となってまとめられる機会を得るものは意外と少ない。ユニークな着眼点や詳細な取材も、その多くは一回限りの紙面に提供されたあと顧みられる事は無いし、そもそも後で調べようにも関連する記事毎にまとまった形で整理されたものなどどこにも存在しないから、多くの研究者は埃をかぶった縮刷版やマイクロフィルムの山と格闘しながら、膨大な時間を無為に費やする事になるのだ。

松永室長のスクラップは、各新聞の論客たちが総力をかたむけた特集連載や、広告頁から日々の生活欄に紛れたベタ記事まで多岐に渡る。しかし半世紀以上この国の芸能や文化を見つめてきた室長の確かな眼が選ぶ記事たちは、その全てが時代のナマの証言として今も生きている。何よりどれもこれも読み物としてすこぶる面白いんだなぁ、これが!

そこにあるのは単なる芸能・音楽の知識の集積というより、生き物のように変化を続けるそれらの実態そのものを、注視し、記録し、後の世に伝えようとする情熱そのもののような気がします。

松永文庫をただの古い資料やポスターの貯蔵室だと思ったら大間違い。貴方のアンテナの感度次第で、この場所の意味は現在形にも未来形にもなるのです。

今日も室長とスタッフの果てしない歩みは続いています。

wriiten by おりおなえ

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