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2014.2.23 Mシアター

今の映画界では珍しくもないTVドラマの映画化作品ながら、元のTVの映像がほとんど残っていない故に幻とも云われる往年の人気時代劇「三匹の侍」の映画版、当時はまだフジテレビのディレクターだった鬼才・五社英雄監督の映画初演出作でもありました。

上映に先立って、のちに人気監督への道を往く五社英雄とはいえ当時は劇場映画初監督だったこと、大ヒットしたドラマの映画化はまだ未知数だったこと等、当時の状況を松永室長が解説しました。主役の三人も当時は無名といってよく、テレビ草創期の熱気と映画黄金期の最後の輝きがクロスする面白い時代に生まれたユニークな時代劇。なにしろ最高視聴率42%のお化けドラマだったんですから。

でもTVの方を覚えている方は、私同様もうすぐ後期高齢者だよね(笑)。かくいう私もこの映画版の三匹の顔ぶれは馴染みがありません。TVでは最初の半年で丹波哲郎は降板、そのあと加藤剛が加入したので多くの視聴者が覚えているのはこちらの方かな。合計157話も製作されたのに、現存するのはたった26話分だそうです。古いTVドラマって本当に残ってないんですね~。

さて肝心の本編ですが。ひと言で云えば、「五社英雄は最初から五社英雄だった」これに尽きるかな。世の中は理不尽だし、キレイな女は虐められるし、主人公はカッコ良くて色っぽい。既に後の五社作品の特性が勢ぞろいしているのはお見事というしかない。三匹三様の個性的な性格の描写は連続ドラマにはかなわないだろうが、限られた時間の中でサービス満点に詰め込まれたあの手この手(やや盛り過ぎ?)はむしろ痛快でした。

来月のマンスリーシアターは満を持しての野村芳太郎監督作品「拝啓天皇陛下様」。人によっては寅さんを抑えて渥美清のベスト作とするファンも少なくない名作です。松永室長もお勧めの3月のマンスリーをお楽しみに。

wriiten by おりおなえ

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