旧大連航路上屋1周年記念イベント Part1
2014.7.20
ライブシアター2014 「白像くんがやって来た」

ご当地旧大連航路上屋に文庫展示室が出来てはや一年、 一周年のアニバーサリーは二日間にわたる記念行事で御祝いでした。 連休中催されたイベントの模様を早速お知らせ致しましょう。 先ずは7月20日に行われた演劇イベント、 ライブシアター2014「白象くんがやって来た」門司乃関公演から。 “かわいそうな象のおはなし”としては上野の花子と双璧の、 享保の象道中の顛末を描いたユニークな音楽劇です。 毎年回を重ねること既に9回目、 地元北九州ではかなり知られてきたこのお芝居も、 スタッフにサポーターくらぶの仲間が参加しており、 ある意味、身内の演し物でもあった訳なんですが、 この物語に所縁の場所でもある今公演は満員御礼の大盛況でした。 実は原作の絵本の基になったドキュメンタリーの中には、 他でもない松永室長本人も登場しています。 お芝居を見て興味をもたれた方は、そちらもどうぞ宜しく。 詳しいお芝居の内容は白象くんのHPを見ていただくとして、 実際アマチュアの主婦が中心のスタッフで、
毎年開催され続けているこのお芝居なんですが、 しかしもはや素人レベルを超える内容とその出来に目を見張りました。 毎年ローカル番組で伝えられる様子などから、 てっきりママさんコーラスなんかの延長みたいに考えていた方は、 (私も白状すると全くそうでしたが、)初見の折には、 新鮮な驚きと、なんとも爽やかな感動を味わう事になるでしょう。 最初は読み聴かせなどを一緒にやっていた仲間たちの、 大人の学芸会みたいな物だったから、
と笑うのは総元締・毘沙門のお聖こと木戸聖子さん。 しかし最初から目指す処が違っていたからこそ、 その道のプロの人間がボランティアしてくれたり、 原作者が全面協力してくれたりした訳なんだと思います。 手練の玄人が狙って仕組んでも難しい事を、 いかにも楽し気に実現させている感じが羨ましい、 こんなに自由度が高いのに、こんなに到達感があって、 ちょっと不思議な感覚でした。 小さきものたちへの母の語りが持つ力が、 全ての物語りの原点である所以でしょうか。 もちろん要所で本職のスタッフがプロの仕事をし、 魅力的な原作のヴィジュアルやキャラクターを盛り立てますが、 毎年顔ぶれの変わる未経験なキャストやスタッフに応じて、 また公演場所との縁によって、 融通無碍に変化するというエピソードやその構成が、 むしろ素人演者たち自身のワクワク感を呼んでいるようで、 技術というより、そのセンスが光ります。 それは参加している子供たち一人一人の瞳に映った、 いま「特別な事」をやっているという、
ちょっと誇らし気な感じだったり。 初めて紅を挿して上気した頬で演じた舞台を、 彼らはどんな思い出に残していくのでしょうか。 享保の象の足どりをたどって江戸を目指すのが、 ライブシアターの当面の目標だそうです。楽しみですねぇ。
wriiten by おりおなえ