2015.2.22 M シアター
如何でしたでしょうか。
現役の日本人映画監督の中で最高の人気と実績を持つ山田洋次作品、
その中でも「家族」はやはり観ておきたい・知っておきたい一本です。
ご存じのように、寅さんは最初のTVでは野垂れ死にして終わります。
「こんな人は今の世では生きてゆけないのです。」
山田洋次はそう言って、後年ファンの不興を買ったそうです。
結局、寅次郎を生き返らせた監督は、「家族」を撮るしかなかったのでしょう。
決してハッピーエンドとは言い難いこの映画を観る度に、
場内で幾度も起こる温かい笑い声に共感しながら、
ついに登場人物たちの失敗を責める事が出来ない自分がいます。
爺ちゃんに叱られて半ベソをかいたあの子は、
あの日、日本のどこかに居たわたし自身です。
愚かなひとはそんなに悪いひとなのでしょうか。
「家族」が山田監督の代表作であるかは意見の分かれるトコロでしょうが、
見覚えのある1970年の日本の姿を活き活きと映したこの映画が、
このあと20年の山田洋次の世界の原点となっているのは確かです。
「寅さん」以外の山田作品も、どれも珠玉の名作揃い。
激しくお勧めいたします!
wriiten by おりおなえ