みんなで上映会に参加してきました、の巻。
前回お知らせした「花と龍」の上映会に松永室長以下総出で伺ってきました。
あろうことか、室長を差し置いてトークイベントのお手伝いまで仰せつかり、
大汗かいてしどろもどろ△○×*でありました。関係者の皆さま、ど~も。
でもね本当の処、昔の映画と云うのは実はかなり失われています。
昔といっても、なにも無声映画とかモノクロ白黒とかまで遡らなくても、
もちろんカラーの、昭和も後半に入ってからの結構な有名作品でも、
様々な事情から保存されないどころか積極的に廃棄された映画さえ、
少なからず存在するのですが、それはまた別の話(笑)。
今回の映画、「花と龍」昭和29年東映作品も著名でありながら、
かなり長い間行方不明だった一本です。
幸い現在では国立近代美術館フィルムセンターに収蔵され、
この度ロケ地の若松でおよそ60年ぶりの上映が催された訳ですが、
こういう機会と云うのは、その映画にとって特別な意味を持ちます。
わたしが以前、そんな“特別な機会”に立ち会う事が出来たのは、
1987年の福岡県柳川市でのことでした。
映画は「柳川掘割物語」、
云わずと知れたアニメの巨匠・高畑勲が手掛けた、
唯一のドキュメンタリー作品の完成試写会が、市民会館で開かれましたが、
見覚えのある眺めや聞き覚えのある声に、会場のそこここから笑いが起こり、
映画の筋とは関係なく「XXXXのおばちゃんや!」とか声が挙がります。
映画自体の出来とは全く別に、その時の幸せな空気感を私は忘れられません。
今回の映画は遥か60年以上の時間を飛び越えてはいましたが、
それでも沖仲仕とかゴンゾウとかいう単語のリアルな意味を知っている観客には、
格別のリアリティをもってドラマが響いたように思います。
映画にとってのふるさと。そんな事を考えるのは変ですかね?
藤田進の金五郎はどこまでも素朴で純真、
後のどの映画化よりも原作のイメージに近いと云われるのも頷ける出来。
葦平の原作ならほとんど反ヤクザ映画だから当然と云えば当然だが。
いいとこで終わるので、続きが見たくなりましたね。
主催の天本英世記念館をつくる会としても、
故天本氏とはご近所だった葦平作品は文句なしのチョイスでしたね。

更に新たな映画化の企画が進行中なのでゲストもにぎやか。
壇上に上がられたのは三村順一監督と西田和昭プロデューサーでしたが、
三村監督の奥さま、大塚和雄プロデューサーや撮影スタッフもご一緒で、
イベント終了後もいろんな話題で盛り上がりました。
個人的にはキャスティングが楽しみでありますが、
プロジェクトの成功をお祈りしております、ハイ。