「SF&冒険映画資料展」~洋画編~
前回の記事でお知らせした通り、5月のマンスリー上映は、
先日の「冬の華」に振り替えた形になりましたので、
今回は趣向を変えて、画像を交えながら、
実際の展示内容の方にスポットを当ててみたいと思います。
高倉健を偲ぶ資料展が皆さんの反響に応える為に、2か月間延長される事になり、
連休明けから予定されていた「SF冒険映画資料展~洋画編~」は、
同時に1Fサブエントランスホールの方での開催となっています。


どんなジャンルの映画でも初公開される時には、
様々なメディアで宣伝されて話題になり期待が膨らみます。
そんな公開当時のポスターや宣材には今では見られないモノもいろいろ。
今年年末の公開に向けて今から話題の「スターウォーズ」シリーズも、
第一作初登場の時はそんな内の一本でした。


SW以前の『SF冒険映画』といえば大体こんな感じで、
世間では子供向けで子供騙し、いい大人の観るものでは…という時代。



SW以降は一転してなんでも「宇宙の」、かんでも「スペース」が流行りました。



例えばスターウォーズ第三作の『ジェダイの復讐』は改題されて、
今では『ジェダイの帰還』になっているので、
この初公開時の表記は見慣れない人もいるでしょうね。
日本で最初につくられた一作目のポスターは、全く情報が無かったので、
仕方なくご覧の通り。大作感だけはある・・・かな。

ブームに便乗してTV映画を劇場公開なんてことも。
「センサラウンド」と云うのは低周波帯を鳴らして、
びりびり場内が振動した虚仮おどし紙一重の音響効果システム(笑)でした。
場内には張りぼてみたいにでっかいスピーカーがどどーん!と鎮座。

こちらは当時コカコーラ社が作った宣材ポスターの内のひとつで、
どうやら映画完成前に描かれたイラストのようで、
アレック・ギネスやハリソン・フォードの貌が見えますが、
未だ無名だったフォードの似てない事と云ったら…、
一番似てるのは大猿チューバッカの着ぐるみだったりします(笑)。
私はドロイドの凸凹コンビの絵柄の奴を観た事がありますが、
全部で四種類あるはずなんですよね~。残りも観たいな。
今やヒットした映画のグッズやアイテムが巷にあふれるのは当たり前ですが、
SW第一作(のちにエピソード4)の劇場公開が1978年、
それ以前にはそんなマーチャンダイジング商品などほとんど無く、
どんな大ヒット映画でもTシャツやマグカップなど存在しなかったことを、
今の人たちに実感してもらうのは難しい事かも知れませんね。
SWの大ヒットはビジネスとしての映画を根底から変えるほどの事件でしたが、
海のこちら側の映画界では前年のアメリカでの評判を耳にしながらも、
大して当たらないのでは?という雰囲気も実は大いにあったのです。


そしてルーカス&スピルバーグの最強コンビが手掛けたのが、
「インディジョーンズ」シリーズ。SWもインディも当初日本では、
というより日本の映画業界の方が最初は及び腰で、
世界での熱狂ぶりが伝わると「どうやらスゴイらしい」という事になり、
商売になる、と判った時点で猫も杓子も…という感じでした。
私たち映画ファンから見ると旧い世代の映画人たちには、
彼らの面白さがよく理解できていない感じでしたね。

ヒットしてシリーズ化もされた「ハムナプトラ失われた砂漠の都」ですが、
中身は昔の「ミイラ男」のリメイクなのに、
字体といい全体のムードといい、インディシリーズそっくりのポスター!


スピルバーグの名前は宣伝上もう鉄板ブランドだったので、
監督名より主演より大きい製作者名なんて当たり前、
じつは他にもたくさんありました、そんな「スピルバーグ映画」。

今では知らぬ人も無い「ハリー・ポッター」も公開前は苦労してます。




何はともあれ現在のハリウッド映画産業の在り方の方向を決定した、
大きなエポックといえる作品たちです。
「SF&冒険映画資料展~洋画編~」は7月9日まで絶賛展示中。
まずはその眼でご覧ください。
後半戦の欧州が気になるおりおなえでした。