関門シネマフェスタ Part4
昨年のGW明けの頃、川口市にあるNHKアーカイブスから、当文庫に連絡がありました。
この施設はNHKの放送プログラムを保存し活用するためのものですが、皆さんは意外に思われるかもしれませんが、
古い番組というのはかなり失われていて、何十年も前のものは一部を除いてNHKにも保存されていません。
したがってアーカイブスでは全国の個人の所蔵するビデオ映像などから、そうした番組プログラムを発掘・復元・保存
する活動をしているんですが、連絡とはそのアーカイブスの部長さんから、松永室長への協力の依頼でした。
この文庫は映画・芸能の資料室として松永室長の寄贈資料で運営されていますが、文庫発足当時、その内容を映画
方面中心に絞り込んだ結果、実は室長が私蔵している資料は他にもまだかなりあるのです。
依頼を受けた室長の自宅から段ボール2つ分のビデオが運び込まれ、ビデオテープ103本、番組数にして5~600本
分の映像はNHKへと送られました。
松永室長の手で一本一本新聞ラテ欄の切り抜きを張り付けた録画ビデオは、アーカイブスで整理・複写され所蔵され
る運びとなるのですが、そのやり取りの中で、室長は数多のビデオの中から、1986年(昭和61年)9月15日放送のNHK
特集「悲しすぎて笑う / 筑紫美主子 その人と芸」、この今は亡き郷土の芸人の傑作ドキュメンタリーを是非紹介したいと
打診します。
申し入れは認められ、どうぞ教材として使用されてください、との返事がありました。
併せて生前の筑紫さんとご親交のあった作家の後藤みな子さんを講師に迎えて、ここに関門シネマフェスタの千秋楽を
飾る最高のプログラムをお届けできた次第です。

「佐賀にわか芸人 筑紫美主子を語る」と題したその講演も、ご自身の作家としての遍歴の中、筑紫さんとの運命的な出会いのエピソードから、後藤さん本人が知る伝説の芸人の素顔を垣間見せていただき、さながら芝居の一幕を観るかのような情熱的なものとなりました。
場内の誰もが、嘉穂劇場の正月公演で涙の舞台を務める筑紫美主子の姿を、ありありと思い浮かべる事が出来たのではないでしょうか。
静かな口調ながら、深い想いの感じられる真摯な語りに感銘を受けました。
私個人の思い出の中の筑紫美主子さんは、晩年の素顔でワイドショーに出演されていた姿の記憶がほとんどで、
本領である舞台の凄さ面白さはわずかに知るばかりです。
松永文庫と室長とのご縁のおかげで、こうした稀有な場面に立ち会う事が出来るのは、正に奇跡。
いや、本当になかなか貴重な一日でした、全く。
怒涛の4週連続でお贈りした関門シネマフェスタ如何だったでしょうか。
毎週の開催と準備の繰り返しで職員スタッフの方々は大活躍でしたが、正直オーバーワーク寸前、ほんとうにありがとう
ございました。
暫時11月のマンスリーシネマはお休みになりますので、しばしのご休息を(といっても通常の運営は続くのですが)。
次回のお目見えは本年最後の上映イベントの、12月19日(土)「男はつらいよ」でお会いします。
企画展は11月19日から高倉健写真展「健さんに逢いたくて」が、年末までのお題となりますのでよろしく。
今年は後半のスケジュールがてんやわんやで、お知らせする側としても冷や汗の連続でありました。
なにかしらご不快に感じられた向きにはゴメンナサイ。
当ブログ部分の不具合に関しては私個人に帰するモノでありますので、文庫本体には(多分ほとんどww)責はござい
ません、あしからず。
万聖節の前夜祭もおわり、世は早くも年末モード。
わたしも横アリ2daysはキッパリあきらめ、5周年公演のライブビューイングにすべてをかける所存のおりおなえでした。
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ここから原稿に非ず。拾いました。
https://www.youtube.com/watch?v=qLa7yBMUihU