健さんに逢いたくて
先日、小倉の北九州国際会議場で催された、高倉健メモリアルイベント 2015 in 北九州はご覧になられましたか。

事前にほとんど告知される時間が無かったのが残念だったほど、
当日の会場は豪華な顔ぶれのトークショーと上映で賑わいました。
特に当日が本邦初公開となった写真家・山川雅生氏の展示は、
100点を超えるオフィシャル&プライベートの健さんの貴重な写真たち。
どこにも公開された事のないショット揃いで驚かれたでしょう?
たった1日限りのお披露目ではあんまり勿体ないので、
11月19日から会場を松永文庫に移して、
年内12月28日まで継続展示させていただいてます。
イベント会場では未展示だった写真も追加されているので、
写真・資料展「わが心の高倉健」in 松永文庫、ぜひご覧ください。

そして今年最後のマンスリーは
「男はつらいよ フーテンの寅」。
シリーズ第3作目の本作は山田洋次から森崎東に監督が代わり、お行儀の良い山田節とは一味違った、もう一つの寅次郎の姿が垣間見られます。
喧嘩や啖呵売の口上、互いに仁義を切り合う渡世人の世界で暮らす、〝カタギ〟ではない人々の哀愁が出てしまうのは、やはり森崎流。
花沢徳衛・河原崎健三・渥美清に森崎監督とくれば、前年の出世作「女は度胸」の3ダメ男から引き続いての顔合わせで、
寅次郎のバカさ加減や旅暮らしの寄る辺無い悲哀もひときわです。
普通の〝カタギ〟暮らしに憧れてはいても、自分にそれが出来ない事も知っている。
その場限りの根無し草だからこそ、寅は何があってもへこたれません。
滑稽だけど身近にいるとハタ迷惑な、でも憎めない人物としての寅次郎の右往左往は、やはりシリーズ初期の作品に、より生き生きと描かれています。
私はこの作品、マドンナ側の人たちの寅さんへの態度など、悪意は無いとはいえ、かなり酷いものに見えるんですが、
当の寅はと云えば、さっさと次の街へ旅立ってしまう。
おいちゃんじゃありませんが、「馬鹿だねェ、全く…」とでも云うしか無いじゃありませんか。
まだ12月にもならないうちから、世間は赤・白・緑のカラーリングがキレイになってきました。
伝説の大女優と名監督も今頃50年分の積もる話をしているのでしょうか。
トリロジー最終章の向こうには何があるのでしょうか。
いまはただ、Women of the year受賞おめでとう。 …以上おりおなえでした。