お知らせ:2月28日(日)のマンスリーシアターは、急遽 豪華二本立てにて上映されます!
1月24日のマンスリーシアターは数年に一度の荒天の為、ご来場を断念された方が多かった様子で、誠に残念でした。
一応上映は予定通り催されたんですが、事情を鑑みて、2月の「続・警察日記」のあとに「鞍馬天狗 角兵衛獅子」再上映
いたします。1月見逃された方、もう一度ご覧になりたい方、どうぞご来場ください。
さて本来の2月分作品である「続・警察日記」。
一作目の方を以前のオールドシネマフェスで上映した時に観た方はいるかな?

1955年、昭和三十年に公開された庶民派・久松静児監督の代名詞、何しろ
この年のキネ旬ベスト10、成瀬巳喜男「浮雲」豊田四郎「夫婦善哉」木下恵介
「野菊の如き君なりき」黒沢明「生きものの記録」今井正「ここに泉あり」の中に
あって堂々の6位、内田吐夢、山本薩夫、田坂具隆らを抑えての入賞は、職人
的映画作家だった久松監督にとって掛け値なしの勲章だろう。
日本映画の警察ネタで人情ものでは、いまだにこの映画第一作が、元ネタに
なっている事も少なくない。たとえば取り調べに天丼とか。あまりに引用され過
ぎて孫引き・曾孫引きなので真似た本人も判っていない、それほどの名作だが、
それはあくまで第一作の方。
古いシャシンだから有り体に申し上げると「こちら側」はそれほどでもない。
いやいや観る前から何言いやがると仰るだろうが、第二作によくある話なのだよ。
好評だった第一作をうけて7か月後に公開された本作は、メインスタッフこそ前作
のままだが、まず忙しかったのか主役の森繁が居ない。じゃあ他の役者は?とい
うと同じ役者が似たような役を演っているかと思えば、全く性格の違う人物を演じ
ていたりと、どうにも坐り心地が悪い。
ストーリーはどちらも田舎町の警察署でいくつもの事件やいざこざが並行するが、やはり二作目の方は笑うに笑えないエピ
ソードが多くなっている。一作目では観客の涙を誘った子役の二木てるみなんかも、こちらでは可哀そう過ぎて演技力が仇
になっている始末。
要はヒットに乗じて短時間に続編をでっち上げたが如何せん、やはりひと練りふた練り足りなかった、と云う処なんだろうと
お察しするが、実は往年の日本映画の続編という奴はこの手の粗製乱造が多かったのだ。
本作は、まぁ特に責めるにはあたらないというのが実際のトコロで、わたしもちょっと斜め読みの気分で当時のスタッフの悪
戦苦闘を思った次第。
いろいろと悪口が先になったが、水準以下の作という訳では無く、森繁以外のキャストも当時の日本演劇人・喜劇人の名優
揃いだし、整形前の宍戸錠が息子ソックリ(いや、逆か)なのも一目でわかる。
いろんな意味で当時絶頂だった日本映画界の裏も表も、ちょいと透けて見える感じが愛おしい「オモロうてやがて哀しき」
一本なのだ。皆さんも是非その目と耳でお確かめいただきたいし、室長の評も気になります。
XXXXXX(伏字になってないな)が恒例の休業状態に入ったので、ウェンブリーは先陣を切る事になりそうなんだが、
それまであと二か月…はぁ…禁断症状も最高潮なおりおなえでした。
See you !