3月マンスリーシアター
寒暖差の大きい天候の移ろいを重ねながら、それでも確実に春桜の季節は近付いてきているようです。
冬の間、日本のどこかで浮き草稼業に身をやつしていた寅次郎も、そろそろ帝釈天の賑わいが懐かしく
なってくる頃合い、という訳で、3月27日のマンスリーシネマは「新・男はつらいよ」、小林俊一監督、
1970年松竹作品をお送りいたします。

たった1年の間に寅さん5本と代表作の一つである「家族」に
関わり、あまりの忙しさから前作と本作は脚本のみの参加
だった山田洋次。
ここまで山田洋次〜森崎東と松竹の俊英がメガホンを取った
寅さん映画だが、この第4作目で遂にドラマ版プロデューサー
小林俊一まで登場する。
フジテレビ史上の名作「白い巨塔」を手掛けた小林俊一が腕
を振るい、ドラマ版寅次郎スタッフでもあった彼が仕上げた
4作目は、今観ると最もドラマ版に近い寅さんだったかも知れ
ない。
それでもやはり山田洋次自身が目指すものとは違ったのか、
やっと監督に戻った5作目は、当時シリーズ完結編のつもり
で臨んだそうだが、それはまた別の話。
人によって好みは分かれるだろうが、いずれも出来が良く各作品の個性も豊かな初期の寅さん。
永く続いてゆくシリーズの基本はここで形作られたのだ。
本作はほとんど帝釈天界隈だけで展開していて、その分、柴又の人情噺を存分に楽しめる内容だ。
たった40日ちょっとで撮ったとは思えない出来をご覧あれ。
24才の栗原小巻のハツラツとした美しさも素晴らしい!
来月4月24日はガラリと趣きを変え、あなたを日活無国籍アクションの世界にご招待いたします。
作品はシリーズ第5作「大草原の渡り鳥」1960年のヒット作、ジャンル表示を見ると『西部劇』だそうで。
一体何処にあるんだ、西部(笑) マイトガイと浅丘ルリ子に、どうぞ乞うご期待‼︎
あ~たった、当たった♫ ヒャッホー♫♬
まさかZeppの閉鎖に間に合うとは、すわ凶事の前触れか?
なんだって構うもんかい、既に心はブリテンでい♪のおりおなえでした。