1月のマンスリーシアター


オールドファンには何の説明もいらないでしょうが、世に名作と呼ばれる映画数あれど、「第三の男」ほど長い時間愛され続けている作品も珍しいでしょう。

もっと前の、戦前の映画にもそんな作品が無い訳じゃありませんが、「第三の男」のように今現在のドラマにも直接影響を与え続けている、現役の面白さを誇れる作品となると、正直そう多くはないと私も思っています。

製作から70年近くの時が流れているとは思えぬほどのリアルなサスペンスは、決して現代の観客から見ても色褪せてはいないし、30年以上前に私が初めて見た頃には既に世界的な名声が定まった状態でありました。おそらく100年目を迎える頃にもその評価は変わらないんでしょう。

永遠のマスターピースと呼ぶに相応しいこの作品も今では家庭でもネットでも気楽に楽しめますが、本来大画面で劇場で見るためにつくられた映画である事は忘れる訳にはいきません。

計算され尽くした映像美も、印象的な音楽も、荒唐無稽な活劇以上のスリルを戦後の世情から巧みに取り入れたプロットも全ては、ほんの少しの間観客たちを非日常の高揚した世界に連れ出すためのマジック。

かつて映画評論家淀沢長治が「映画の教科書」といい、カンヌ映画祭のグランプリを受賞した懐かしの1949年度イギリス映画「第三の男」、いかがでしたでしょうか?

ホームビデオ以前の時代、なかなか地方の映画館ではこうした古い映画はお目にかかれず、期待と予備知識で頭をパンパンに脹らませた中学生だった私が、それでも面白さに大満足したのが良い思い出ですね。

さて次回のマンスリーは1954年日活映画「初姿丑松格子」、お芝居で云う処の〝暗闇の丑松〟って奴ですね。講談の演目だったのを巨匠・長谷川伸が六代目尾上菊五郎の新歌舞伎の為に調えたと聞いた事がありますが、いい加減な事を書いちゃうと大変なので、室長に聴いて来ようっと。古い事は人生に先輩に尋ねるに限ります。というわけで、2月もマンスリー・シネマでお待ちしております!

東京ドーム2DAYSのブルーレイと入院でめっきり金欠のおりおなえでした。See you!

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